妊娠期は女性の体に多くの変化が訪れる時期で、多くの妊婦さんが直面するのが、足のむくみや疲れなどの血行問題ではないでしょうか。
そんなときに注目されやすいのが、着圧ソックスの利用です。
着圧ソックスやタイツは、適度な圧力をかけることで血液循環を促進し、むくみの軽減や疲労感の軽減に役立つ一方で、妊娠中は体への負担が特に気になるため、着圧製品を選ぶ際にはその安全性や適切な使用方法を知る必要があります。
そこで今回は妊婦さんが着圧製品を安全に利用するためのポイントや、着圧製品の選び方などについて解説します。妊娠期のむくみに悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。
PR
妊娠中の着圧ソックス｜基礎知識と選び方
・妊婦さんに着圧ソックスが推奨される理由
・選ぶときは圧力の強さを確認すること
・妊婦さん向け着圧ソックスの安全性
まずは妊娠中の着圧ソックスについての基礎知識を見ていきましょう。
妊婦さんに着圧ソックスが推奨される理由
妊娠期間中は、ホルモンの影響で血管が拡張しやすくなり、血液循環が悪化しやすい状態です。
とく、子宮が大きくなることで下半身への血液の循環が阻害され、足のむくみや疲れを感じやすくなります。
そんなときに着圧ソックスを着用することで足首から段階的に圧力をかけることで血液の循環を促進し、むくみを軽減できるでしょう。
また、長時間立ち仕事をする妊婦さんや、運動不足による下肢の不調を感じている方にも、着圧ソックスは効果的です。
こうやって妊娠中に着圧ソックスを利用することは効果がある一方で、適切なものを選ぶことが大切だといわれているため、購入の際は慎重になりましょう。
選ぶときは圧力の強さを確認すること
妊婦さんが着圧ソックスを選ぶ際に重要となるポイントは、圧力の強さを確認することが大切です。
理想的な着圧ソックスは、足首部分に最も強い圧力をかけ、徐々に上に向かって圧力が減少するグラデーション圧力を持っていることです。
この圧力分布は、血液が足から心臓へとスムーズに戻るのを助け、下肢の血液循環を改善してくれるでしょう。
圧力の強さは、一般的にはmmHg（ミリメートル水銀柱）と表されます。
妊婦さんには、医療用のような強いものよりは、比較的軽い圧力のものが推奨されているため、15-20mmHg程度の軽い圧力ソックスがおすすめです。このタイプのソックスは予防目的や軽度のむくみに適しています。
そのため、購入時には、商品の説明をよく読み、圧力のレベルと分布が明示されているかを確認してください。
また、サイズ選びも重要で、足のサイズだけでなく、足首やふくらはぎの太さに合ったものを選ぶことで、圧力のバランスが崩れたり、圧迫が強すぎたりすることで感じる不快感がなく、心地良く着用を続けられるはずです。
妊婦さん向け着圧ソックスの安全性
「そもそも妊婦は着圧ソックスを履いて良いの？」と気になった人もいるのではないでしょうか。
まず、妊娠中に着圧ソックスを選ぶ際には、医師や産婦人科の専門家と相談することが推奨されているため、ご自身の判断だけでは行わないようにしましょう。
適切な着圧ソックスは妊娠中の足の健康をサポートし、快適さを与えてくれる一方で、不適切な使用や誤った選択は逆効果を招くこともあるので注意が必要です
特に、血栓症の既往歴がある方や、妊娠高血圧症候群などの妊娠合併症を抱えている方は、使用前に必ず医師の許可を得るようにしてください。
医師などから使用許可が降りたうえで、着圧ソックスを長時間着用する際は、定期的にソックスを脱いで足を休またり、夜間の就寝時には着用を避けたりと、足を自由に動かせる時間を確保することで、血流が適切に保たれ、安全な使用ができるでしょう。
妊娠中に履いてはいけない着圧ソックスとは？
妊娠中でも着圧ソックスを履くことはできますが、選び方がとても大切です。
・避けるべき着圧ソックスの特徴
・医療用と一般用の違い
ここでは妊娠中に避けるべき着圧ソックスの特徴を紹介します。
避けるべき着圧ソックスの特徴
妊娠中に履いてはいけない着圧ソックスにはいくつかの特徴があります。
◆圧力が強すぎるソックス
とくに30mmHgを超える強圧の着圧ソックスは、血流を阻害して逆に健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、足首よりも上部で圧力が高くなる逆グラデーション圧力のソックスも、血液が心臓に戻るのを妨げるためおすすめできません。
◆通気性が悪い素材で作られた着圧ソックス
長時間の使用による蒸れやかゆみを引き起こし、妊婦さんの敏感な肌に刺激を与えることがあります。
また、ゴムや縫製が直接肌に当たるデザインのものは、圧迫感やアレルギー反応の原因になることもあるため、選択は避けるべきです。
こういった特徴を持つ着圧ソックスは、妊娠中のデリケートな時期においてリスクが高まるため、使用を避けるようにしてください。
医療用と一般用の違い
妊婦さんが着圧ソックスを選ぶ際には、医療用と一般用の違いを理解することも大切です。
医療用着圧ソックスは、通常、医師の指示に基づいて使用され、特定の医療条件、例えば深部静脈血栓症(DVT)の予防や、既存の静脈瘤の管理のために設計されています。
これらは圧力レベルが高く、特定の医療基準に沿って製造されており、使用には医師の監督が必要です。
一方で一般用の着圧ソックスは、主に予防的な目的や軽度のむくみの軽減を目的としているため、比較的軽い圧力を提供し、医療用ほどの厳格な基準には基づいていませんが、妊娠中の足の不快感を軽減するのに役立ちます。
そのため、妊娠中に着圧ソックスを選ぶ際には、必要に応じて医師と相談しながら適切な圧力レベルを見つけるようにしてください。
とくに妊娠中は体が敏感になっているため、一般用の着圧ソックスであっても使用前に医師のアドバイスを求めることが推奨されています。
妊娠中におすすめの着圧ソックスの選び方
・脚のむくみに効果的な着圧ソックス
・着用感が快適なマタニティ専用ソックス
・医療用弾性ストッキングの選択肢
・夜間用ソックスで快眠サポート
ここでは妊娠中におすすめの着圧ソックスの選び方を解説します。
脚のむくみに効果的な着圧ソックス
脚のむくみに効果的な着圧ソックスは、足首で最大の圧力を与えてく、徐々に上部に向かって圧力が減少する設計が特徴的です。
これによって下肢の血液循環が促進されるため、一日中立っていることが多い妊婦さんや、むくみが気になる方に最適だといわれています。
妊婦の人が選ぶ際には、圧力のレベルが明記されており、15-20mmHg程度の軽い圧力から始めることがおすすめです。
着用感が快適なマタニティ専用ソックス
マタニティ専用の着圧ソックスは、妊娠中の変化する体型と敏感な肌に配慮した設計がされています。
伸縮性が高く、圧迫感が少ない素材を使用しているため、長時間の着用でも快適さを保てるのが特徴です。
また、足の甲が膨らみやすい妊婦さんのために、足首からふくらはぎにかけてのフィット感に優れている点もポイントといえるでしょう。
医療用弾性ストッキングの選択肢
医療用弾性ストッキングは、妊娠中に血液循環の問題を抱えている方や、深部静脈血栓症(DVT)のリスクが高い方に推奨されています。
こういったストッキングは、医療用として設計されており、厳格な医療基準に基づいて圧力がかけられているため、一般的な着圧ソックスで効果が出ない人におすすめです。
ただし、医療用ストッキングを使用する際は、必ず医師の処方や指示に従う必要があるため、ネットの情報だけを信じて自己判断で購入するのはおすすめできません。
夜間用ソックスで快眠サポート
夜間用の着圧ソックスは、就寝中の足のむくみを軽減し、快適な睡眠をサポートするために設計されているだけでなく、着圧が比較的軽めでありながらも、足とふくらはぎの血液循環を促進するのに効果的です。
そんな着圧ソックスを着用しながら快眠を促すためには、圧力が足首で最も強く、上に向かって徐々に減少するグラデーション圧力を選ぶようにしてください。
また、ソックスがきつすぎずに寝返りを打ってもズレにくい設計のものを選ぶとより良い睡眠を得らるはずです。
こういった夜間用ソックスを使用することで、妊娠中の足の不快感を軽減し、質の高い睡眠を促進できるでしょう。
＼マシュマロ生地で心地よい睡眠を／
↑↑今なら最大30%OFF↑↑
妊娠中の脚のケア｜着圧ソックス以外の方法
・足を高くする時間を作る
・適度な運動で血行促進
・水分と塩分の摂取量に注意
・定期的なマッサージとストレッチ
ここでは着圧ソックス以外の妊娠中の脚のケアについて具体的に解説します。
足を高くする時間を作る
妊娠中に脚のケアをするために、日常生活の中で足を高くする時間を作ることが効果的だといわれています。
とくに長時間立ち仕事をしている方や、座りっぱなしで過ごす時間が多い方は、定期的に足を心臓よりも高い位置に上げることで、下肢の血液循環を促進し、むくみを軽減できるといわれています。
具体的には、椅子に座っている時に足を軽く上げる、ソファやベッドで横になる時にクッションや枕を使って足の下に置くなどの方法があり、この姿勢をとることで血液が心臓に戻りやすくなれば、脚にかかる圧力を軽減できるでしょう。
日中数回、5分から10分程度足を上げるだけで、妊娠中の足の不快感を大きく改善できるといわれているので、ぜひ試してみてください。
適度な運動で血行促進
妊娠中の脚のケアにおいて、適度な運動は血行促進に効果的です。
・ウォーキング
→低リスクで簡単に始められる運動であり、日々の生活の中で取り入れやすい
・水泳
→体を浮かせることで関節への負担を減らしつつ、全身の筋肉を使うため、血行促進に効果的
・妊婦向けのヨガ
→深い呼吸を伴うポーズにより、体内の酸素の循環を促し、ストレスの軽減にも役立ちます。
こういった身体に負担の少ない運動がおすすめです。
運動を行う際には、無理をせず、自分の体調に合わせて行うことを何より意識してください。
また、運動前後にはしっかりとストレッチを行い、筋肉の緊張を和らげることで、より血行促進の効果を高めることができます。
水分と塩分の摂取量に注意
妊娠中は、適切な水分と塩分の摂取量に注意する必要があります。
体内の水分バランスを保つことは、血液の循環を良好に保ち、むくみを防ぐのに効果的です。
とくに妊婦さんは、通常よりも多くの水分を必要とするため、一日に8〜10杯の水を目安に摂取することが推奨されています。
しかし、水分を取り過ぎると体内に水が溜まり、逆にむくみの原因になることがあるため、適量を心がけることが大切です。
また、塩分の摂り過ぎは体内に水分を保持して、むくみを悪化させる原因になるため、妊娠中はとくに塩分の摂取量に注意して、加工食品や外食など塩分が多く含まれる食品の摂取を控えめにすることが大切です。
野菜や果物など、天然の食品を中心としたバランスの良い食事を心がけながら、体内の水分と塩分のバランスを整えるようにしてください。
定期的なマッサージとストレッチ
妊娠期間中は、体重増加や体の中心部の圧力増大により、脚に負担がかかりやすくなるため、脚のむくみや疲労感を軽減するために、マッサージとストレッチが大切になります。
マッサージは、脚の血液循環を改善し、リンパの流れを促進することで、むくみを和らげる効果があります。
とくに足裏からふくらはぎにかけて優しく圧をかけるマッサージを行うと、疲労回復に効果的です。
また、ストレッチは脚の筋肉の柔軟性を保ち、むくみやこわばりの予防に効果的なので、座った状態で足を伸ばし、足首を回す運動や、壁に手をついて片足ずつ踵を床につけて伸ばすストレッチなどが、妊婦さんにも安全で行いやすくおすすめです。
定期的なマッサージとストレッチを組み合わせることは、妊娠中の脚の不快感を軽減し、より快適な妊娠生活を送るキッカケになるでしょう。
ただし、妊娠中は体に変化があるため、ストレッチやマッサージを行う際には無理のない範囲で行い、必要に応じて専門家のアドバイスを受けるようにしてください。
まとめ
この記事では妊娠期の着圧ソックスやタイツの理由について具体的に解説しました。
妊娠中は体内の血液量が増加し、ホルモンの変化によって血管が拡張するため、足のむくみや疲れを感じやすくなります。
着圧製品は不快な症状を軽減する効果が期待できるため、適切な圧力を足にかけることで血液の循環を促進し、むくみの予防や軽減に効果的です。
ただし、妊婦さんが着圧製品を選ぶ際には、適切なサイズ選びや圧力のレベルに注意が必要になります。
そのため、着用前はできれば医師と相談の上、自分の体調やニーズに合わせた着圧製品を選ぶことで、妊娠期をより快適に過ごすことができるでしょう。
