「ストレッチマークで悩んでいる」
「一度できたストレッチマークは消えないって本当？」
ストレッチマークについてこういった悩みを抱えている人もいるのではないでしょうか。
急激な体型変化や妊娠によって現れるストレッチマークは、肌の奥にある真皮が断裂することで起こりるといわれています。
薄い赤紫色からやがて白っぽく変化し、時間が経つと目立たなくなるといわれますが、完全に消すには工夫が必要です。
そこでこの記事では、今から始められるストレッチマークの実践的な対策を詳しく紹介していきます。
ストレッチマークとは？原因とできるメカニズムを解説
・ストレッチマークの正体とは？医学的な視点から解説
・なぜできる？ホルモン・急激な体型変化との関係
・妊娠や成長期、筋トレでも起きる共通の原因
ストレッチマークの正体とは？医学的な視点から解説
ストレッチマークは、医学的には「皮膚伸展線条（ひふしんてんせんじょう）」と呼ばれます。
これは、皮膚の奥にある真皮層が急激な伸びに耐えられず断裂し、傷のような状態になったものです。
皮膚は表皮・真皮・皮下組織の3層構造になっており、とくに真皮にはコラーゲンやエラスチンといった弾力を保つ成分が存在していますが、急激な体重の増加やホルモンバランスの変化により、真皮が引き裂かれてしまうと、はじめは赤紫色の線状の跡が現れます。
そして、時間の経過とともに色は白っぽくなり、皮膚の表面には凹凸のある線が残ってしまうのです。
痛みやかゆみを伴うこともありますが、基本的には皮膚の構造変化によるもので、日常生活に直接的な悪影響はないといわれています。
なぜできる？ホルモン・急激な体型変化との関係
ストレッチマークができる背景には、ホルモンバランスの変化と急激な体型変化が深く関わっています。
とくにコルチゾールという副腎皮質ホルモンという、コラーゲンの合成を抑制する働きがあるホルモンの影響を受けているといわれています。
たとえば、妊娠や思春期、急な体重増加などで体が短期間に大きくなると、皮膚が内側から急速に引き伸ばされ、柔軟性が追いつかなくなります。コラーゲンの生成が抑えられている状態では、真皮層が裂けやすくなるため、結果としてストレッチマークが生じてしまうのです。
妊娠や成長期、筋トレでも起きる共通の原因
ストレッチマークは妊娠中の女性に多く見られるイメージがありますが、実は成長期の青少年や筋トレを行う男性にも共通して発生するといわれています。
その主な原因は、「急激な皮膚の伸展」と「ホルモンバランスの変化」です。
妊娠中は胎児の成長に伴ってお腹周りの皮膚が急速に引き伸ばされる一方で、プロゲステロンやコルチゾールといったホルモンの影響でコラーゲンの生成が抑えられ、真皮が傷つきやすくなります。
それと同様に、成長期の子どもは急な身長や体格の変化によって皮膚が引っ張らる筋トレでは、短期間で筋肉が増えることで皮膚に強いテンションがかかってしまうでしょう。
そのため、体の成長や変化が大きいほど、ストレッチマークのリスクも高まるのです。
ストレッチマークができやすい部位とその特徴
・お腹・腰周り
・太ももやおしり
・胸・二の腕
お腹・腰周り
ストレッチマークが最もできやすい部位の一つがお腹と腰まわりです。
とくに妊娠中の女性は、お腹が急激に大きくなることで皮膚が強く引き伸ばされて、真皮層が裂けやすくなるといわれています。また、男性でも急な体重増加や筋トレによる腹筋の肥大で同様の現象が起こるといわれています。
さらに、腰まわりも体脂肪がつきやすい箇所のひとつで、体型の変化が集中しやすく、皮膚への負担が大きい部位です。
お腹や腰回りのストレッチマークに対する予防のポイントとしては、毎日の保湿ケアが必要になります。お風呂上がりの柔らかくなった皮膚に、ストレッチマーク専用の保湿クリームやオイルを使用すると浸透しやすくなるでしょう。
太ももやおしり
太ももやおしりは、体の中でもとく脂肪がつきやすく、筋肉の発達も目立つ部位であるため、ストレッチマークができやすいです。
成長期の中高生や筋トレで下半身を鍛える人は、筋肉量の増加により皮膚が引っ張られ、真皮層に負担がかかりやすくなるでしょう。また、女性の場合は妊娠や体重変化によって、おしりや太ももの皮膚が伸びやすくなるため、ヒップ下部や太ももの内側に赤紫の線が現れることがあります。
この部位は見えにくいことからケアが後回しになりがちですが、定期的な保湿とマッサージを行うことで、皮膚の柔軟性を保ち予防ができます。
ビタミンCやEなどの肌を構成する栄養素を意識的に摂取することも、肌の再生力を高めてくれるため、ストレッチマークのリスクを減らす効果を期待できるでしょう。
胸・二の腕
ストレッチマークは、お腹や太ももにできるイメージが強いかもしれませんが、胸や二の腕といった意外な部位にもできるといわれています。
とくに女性は、思春期や妊娠中のバストサイズの急激な変化によって、胸の皮膚が引き伸ばされ、ストレッチマークができやすくなってしまうのです。
また、二の腕は脂肪がつきやすく、筋トレによる筋肉の増加でも皮膚が急に伸びることで発生しやすい部位といわれています。
胸や二の腕のストレッチマークは見た目に影響しやすいため、早めの予防ケアが大切です。対策としては、日常的な保湿ケアに加えて、血行を促進するマッサージを取り入れるのが効果的だといわれています。
また、皮膚の弾力を保つために、ビタミンA・C・Eなどを含むスキンケア用品を活用すると良いでしょう。
できてしまったストレッチマークの対処法
・保湿ケアと専用クリームで目立ちにくくする
・皮膚科での治療法を試す
保湿ケアと専用クリームで目立ちにくくする
できてしまったストレッチマークは完全に消すことは難しいものの、保湿や専用クリームによって目立ちにくくすることができるといわれています。
そもそもストレッチマークは皮膚の深層にある真皮の損傷によってできるため、まずは肌の柔軟性と再生力を高めることが大切です。
保湿成分としては、ヒアルロン酸、シアバター、セラミドなどが効果的で、肌をしっとりと保ちつつバリア機能を高めることができるでしょう。
また、ストレッチマーク専用クリームには、レチノールやビタミンEなどのターンオーバーを促す成分が含まれているものも多く、これらを継続的に塗布することで肌の凹凸や色の変化が徐々に薄くなっていくケースもあります。
とくに朝と夜の2回、清潔な肌に塗布することでより効果が実感しやすくなるでしょう。
皮膚科での治療法を試す
ストレッチマークをより積極的に改善したい場合は、皮膚科での治療もおすすめです。代表的な方法として、レーザー治療やダーマペンがあります。
レーザー治療は、ストレッチマークの色素沈着を薄くしたり、コラーゲンの生成を促して肌のハリを回復させたりする効果があります。とくにフラクショナルレーザーは、肌の深層に微細なダメージを与え、自然治癒力を活性化させることで目立たなくする方法として知られています。
一方でダーマペンは極細の針で皮膚に小さな穴を開け、肌の再生を促進する治療法です。薬剤や成長因子を併用することで、ストレッチマークの凹凸や色味を和らげる効果が期待できるでしょう。
どちらも数回の施術が必要ですが、セルフケアでは改善が難しい深い線に対して効果的です。
まとめ
今回の記事ではストレッチマークについて解説しました。
妊娠や急激な体重変化、成長期などによって皮膚の真皮層が裂けることで現れるこの皮膚トラブルは、見た目の変化に不安を感じる方も少なくありません。
完全に消すことは難しいものの、保湿力の高いオイルやクリームによる早期ケア、コラーゲン生成を促す成分の摂取、レーザー治療などによって目立ちにくくすることはできるといわれています。
また、日常的なスキンケアやマッサージも有効で、肌の弾力を保つことが予防につながります。
とくに妊娠中やダイエット中は、皮膚が伸びやすい部位を中心に重点的なケアを行うことが大切です。
ストレッチマークは決して恥ずべきものではなく、自分の身体が経験した証でもあるため、まずは焦らず丁寧にケアを重ねることで、自分の肌と前向きに向き合えるようになるはずです。
