植物の育て方を調べていると、よく「苦土石灰」という言葉が出てきます。でも苦土石灰が何なのかは意外と知らないことも多いですよね。
この記事では、具体的に苦土石灰というのはどういうものなのか、どんな使い方をすればいいのか、どんな効果があるのかについてご説明します。
苦土石灰の役割を知っておくと、なぜ苦土石灰が必要なのかがよくわかりますよ。
苦土石灰とは?
読み方は?なんて読むの?
苦土石灰は「くどせっかい」と読みますが、白い粉や粒状で袋に入って販売されています。
主に土の改良に使われているため、植物を育てる前の準備段階に利用されることが多いです。
成分は?
苦土石灰はドロマイトという鉱物が原料となっていて、成分はマグネシウムと炭酸カルシウムです。
苦土というのはマグネシウムのことで、石灰は炭酸カルシウムを意味します。
石灰はいくつか種類がある
また石灰には苦土石灰以外にも、消石灰や有機石灰などいくつか種類があります。
ただし一般的に園芸用として使うには、苦土石灰が一番使いやすいです。
苦土石灰の効果について
苦土石灰を使うと実際にどういう効果があるんでしょうか?ここでは大きなポイントを2つご説明しますね。
土の酸度を中和し、アルカリ性に傾ける
苦土石灰の主成分である石灰(炭酸カルシウム)は、土のPHを中和させアルカリ性に傾けることができます。
日本の土は雨の影響で、基本的に弱酸性〜酸性に傾いていることが多いです。そのためアルカリ性の土を好む植物を育てる時は、土のPHを改良する必要があるんですね。
特に地中海原産のハーブはアルカリ性の土を好むことが多く、苦土石灰を土に使ってアルカリ性の土にすることでよく育ちます。
消石灰はアルカリ性に傾ける力が強く、有機石灰は逆に弱いので、苦土石灰を使うのが一番失敗しにくいですよ。
苦土(マグネシウム)で光合成を助け、株を丈夫にする
植物は二酸化炭素と水・太陽の光で光合成をすることで、養分を作り育ちます。
また光合成をするには葉にある「葉緑素」というのが大きく関わっています。
苦土石灰のもうひとつの主成分である苦土(マグネシウム)は、この葉緑素を構成する大きな要素で、マグネシウムが不足すると葉緑素の働きが弱くなるため、植物の成長に影響します。
またマグネシウムが欠乏すると、マグネシウム欠乏症(クロロシス)といって葉が黄色く変色します。
苦土石灰の基本的な使い方
では苦土石灰の基本的な使い方もご説明しますね。
土を改良してくれる苦土石灰ですが、撒きすぎても土に悪影響なので適量と使い方をしっかり覚えておきましょう。
苦土石灰の使用量
主に花壇や地植えなど、雨に当たる場所で植物を育てる時に使います。
一般的には1㎡あたり、苦土石灰を100g〜200gほど混ぜ込みます。苦土石灰は土の水分となじむことで効果が出るので、基本的には植え付ける2週間前に準備しておいたほうが良いです。
鉢植えに苦土石灰を使う場合は、土の表面に薄くかけて混ぜておけば大丈夫です。鉢植えは土の量が少ないので、使いすぎに注意しましょう。
毎年春にPHを調整する
また苦土石灰で土を中和しても、1年たつと土のPHは変わってしまうので、毎年春の時期に酸性に傾いているようであれば、再度苦土石灰を使用してPHを調整します。
土のPHは、PH測定器などを使うと簡単に調べられます。
酸性を好む植物には使わない
苦土石灰を使うと、土をアルカリ性に傾ける効果があるので、酸性よりの土を好む植物には苦土石灰は使わないようにしましょう。
代表的なものだとツツジ科の植物や、バラ、ブルーベリーなどは酸性よりの土を好むことで知られています。
苦土石灰を使う時は、必ず育てる植物がどういう土を好むのかを確認してくださいね。
土の環境を整えて、元気に植物を育てよう
庭で地植えをする時は、土が酸性に傾きやすい日本の環境では苦土石灰はよく使う園芸用品です。
ご自宅で使う場合はあまり沢山あっても使いきれないと思いますが、100円均一でも少量のものが販売されているので、手軽に使うことができます。
苦土石灰を使うと、酸度を中和し・植物に必要な光合成を助ける役割があるので、うまく使いこなして元気に植物を育ててくださいね。